基礎の欠陥

ある新築住宅で床下に進入した時のことです。
基礎にシーリングが塗ってありました。

何だこれは?と思いました・・・

はじめは、余ったシーリング材を基礎に塗ったのかと思いました。

しかし、よく見ると丸い穴をあけようとした形跡がありましたのでピンっときました。

 

実は、この住宅、スリーブ(写真参照)と呼ばれるものをコンクリートを流し込む前に設置し忘れたのです。

 

設備業者は、床下の配管を外部に出すため、コンクリートが打たれる前にあらかじめスリーブと呼ばれるものを設置しておきます。

要は、コンクリートに穴を空けておくのです。

このスリーブを設置しておけばコンクリートに穴が空くので配管が通せるわけです。

 

しかし、この設備業者はスリーブを設置する前にコンクリートが打たれてしまったというわけです。
スリーブを入れないでコンクリートが打たれてしまったら、配管が外部に通せないため、固まったコンクリートに機械で穴を空けるほかありません。(これをコア抜きといいます。)

この写真はコア抜きをした形跡です。
しかも、このコアは位置を間違え、途中でやめ、シーリングで補修をしたということがわかる写真なのです。

 

結果的にこの住宅はすべてのスリーブを入れ忘れていたのです。

これは設備業者だけの責任ではないように思います。
なぜなら、コンクリートを流し込む時にはスリーブがないことに気が付かないといけませんから、工事監督の責任でもあるでしょう。

それにしても、コンクリート業者もスリーブがないことに気づかなかったのかと不思議になります。

このようなことは、頻繁にあることではありません。
今回は、シーリングが雑にされていたので発覚しましたが、もし、このシーリングがなければ発見することはかなり厳しかったでしょう。

私は、これ以降、穴あけの筒の部分も注意深く見て、機械で穴あけをしたものでないか見るようになりました。

 

それにしても、本当に気が抜けません。

 

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